ぶどう畑で考えていること

最近は剪定を続けています

年が明けてしばらく経ちますが、去年の12月から引き続き剪定をしています。今年は例年に比べて寒さも厳しく雪も多いので、無理をせず暖かい日に畑に出ていくことにしています。ゆっくりではありますが、2月末までには終わる見込みです。繁忙期の6月7月に比べると作業の期限が一日単位ではないので余裕をもって進められています。

就農して5年目となり、剪定も5度目です。これまで通り続けたほうが良いことや、改めて見直したほうが良いことが出てきたりと、今まで気づかなったような新たな気付きが日々あります。剪定は、秋にぶどうが大きく甘くなるために行う作業です。ぶどうの葉に十分な日が当たるかを気にかけて、これから伸びてくる枝が重ならないようにしないといけません。年が明けてまだまわりは雪に囲まれている中で、収穫の状態を思い描きながら剪定するのは、なかなか想像力が必要な仕事です。

同時に樹も育てています

剪定は短期的に見ると、良いぶどうを収穫するためのものですが、長い目で観た場合、樹作りをしていることにもなります。ぶどう畑には棚があり、その上にぶどうの樹は広がっています。ぶどうをたくさんとるためには棚全面にぶどうが広がってくれるのが理想的です。ですが、ただ枝を切っているだけでは思ったとおりに棚を覆い尽くしてはくれません。思い通りの方向に樹が広がるように剪定をしてあげる必要があるのですが、これが奥が深く、うまく樹勢を落ち着けながら思い通りの樹に育てていくのは至難の業です。ぶどう栽培の技術は蓄積されて広く共有されていますが、気候や土壌などさまざまな要因があり、自分の土地にあう納得のいく剪定ができるには、まだ時間がかかりそうです。

収穫までのスケジュール

例年通りにいけば、4月下旬には発芽をし始め、6月10日前後に満開となります。この頃は日々ぶどうが急速に生育していく時期で一日も無駄にできません。ぶどうの生育に追いつくように作業を進めなければいけないため一番の繁忙期となり、7月末に袋掛けが終わるまで一息つく暇もありません。袋掛けを終えればお盆まで少しだけ余裕ができ、暑い時期に少し体を休めることができます。お盆を過ぎて早ければ8月末から巨峰の収穫が始まり、9月上旬から中旬にかけてナガノパープルの収穫、9月下旬か10月初旬からシャインマスカットの収穫と、それぞれの品種の旬にあわせて10月の終わりほどまで収穫が続いていきます。

このように今後のぶどうの生育状況を起点として、作業予定を組んでいます。そのため、まだ年があけたばかりではありますが、収穫時期のぶどうのことを考えながら、寒い中剪定をすすめています。